Fettercairn
魅惑的なナッツと麦芽の風味、「フェッターケアン」

東ハイランド産のシングルモルト、フェッターケアンは麦芽の甘い香りを放ち、ナッツのような風味とテクスチャーを持っています。キャラクターは素朴ですが、トラディショナルで正統派といった印象がありますね。

20世紀以降、東ハイランドでは7つほどの蒸留所が操業していましたが次々と倒産に追い込まれ、フェッターケアンは東ハイランドで操業を続けている唯一の蒸留所だった時期もありました。しかし現在では、グレンカダム蒸留所も操業を再開しましたので2か所になっています。

フェッターケアンは北ハイランドのダルモアとともに、ブレンデッドウイスキーのホワイト&マッカイの原酒として使われています。フェッターケアンは、ともすれば個性の強いダルモアの陰に隠れがちなのですが、実はしっかりと自己主張をする美味しいシングルモルトです。特に長期熟成させたフェッターケアンには、濃厚で魅惑的な風味を放つものもあります。

スコットランド北東部にある都市アバディーンは、エディンバラ、グラスゴーに次ぐスコットランド第3の都市。蒸留所があるのは、そのアバディーンから南西に40キロメートルほど下ったところにある、蒸留所と同名の村です。19世紀の終わり頃、フェッターケアン蒸留所の地主はサー・ジョン・グラッドストンという人物でしたが、彼は4度も英国の首相を務めた著名な政治家ウィリアム・グラッドストンの父だったことでも知られています。ウィリアムも幼少時は、フェッターケアン村で過ごしたことがあるそうです。蒸留所は現在もグラッドストーン家の敷地にあります。

蒸留所の歴史は古く、政府の認可を受けたのは新税制が導入された翌年の1824年のことです。それは、ザ・グレンリヴェットに次いで2番目の早さでした。その後、次第に認可を申請する蒸留所が増えていきました。

フェッターケアン蒸留所のスティルは、初留が2基、再留が2基の計4基が設置されています。注目すべきは再留釜のネックの部分に、この蒸留所オリジナルの冷却器がとりつけられている点。冷水をシャワーのように吹きかける、興味深い構造になっています。また仕込み水は、グランピアン山脈の一部であるケアンゴルム産地の湧水を使用しています。

この蒸留所のシングルモルトは、長い間「オールド・フェッターケアン」として親しまれてきましたが、2002年に「フェッターケアン1824」とブランド名を一新しています。熟成年数も10年物が主力商品でしたが、12年熟成に改められました。


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